

腸の蠕動運動は自律神経によってコントロールされていますが、これが乱れて過敏性腸症候群症状を起こしていると考えられています。ただし、はっきりとした原因はまだわかっていません。自律神経はストレスの影響を受けやすく、ストレスによって自律神経が乱されると蠕動運動の機能も乱され、低下すると便秘に、亢進すると下痢になります。また、腸内細菌や食事、大腸粘膜の炎症や遺伝などの関与も指摘されています。
腹痛や下痢、便秘、膨満感などを繰り返す大腸疾患は数多く存在するため、内視鏡検査で他の疾患による炎症などがないことを確認した上で過敏性腸症候群と診断されます。
こうした症状に潰瘍性大腸炎やクローン病、ポリープやがんといった疾患が隠れていた場合には、早急に治療を受ける必要があるため、内視鏡検査は不可欠です。
当院では痛みなどの不快感のない内視鏡検査(大腸カメラ)を行っており、安全な鎮静剤を使用してウトウトしている間に検査を行う無痛大腸カメラ検査も可能です。
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腸管の動きや便の硬さの調整、腸の過敏性改善、腸内細菌叢(さいきんそう)を整えるなどの薬剤から適切なものを処方していきます。ストレスの影響が強い場合には、気持ちの落ち込みや不安を抑制する薬剤を使うこともあります。腹痛からの下痢といった症状がある場合、予兆を感じた時に服用してその後に現れる症状を抑制するものもあります。薬の効果には個人差がありますので、患者様と相談しながら一番いい処方を見つけていきます。
体質などに合わせた処方が重要です。時間をかけて便秘や下痢、膨満感などの症状を和らげていくものや、正常なお通じに導くもの、冷えを解消して症状緩和につなげるものなどがあります。ご希望があれば薬物療法と併用してお出ししています。
症状の便通異常は、生活習慣によって悪化している場合がよくあります。
ちょっとしたことに気を付けて、腸の状態を正常に戻していきましょう。