鼠径ヘルニア 手術

鼠径ヘルニアの治療

手術鼠経ヘルニアは良性の病気ですが、放置して嵌頓を起こすと命にかかわる可能性があるため、早めに治療を受けることをおすすめしています。嵌頓が起こるのは全体の約5%程度ですが、ヘルニアを起こしている場所によって発生率は変わります。
鼠径ヘルニアは、薬物療法や運動療法では治すことができず、手術以外に治す方法はありません。子どものヘルニアではかなりまれにですが自然治癒することがありますが、成人のヘルニアは自然に治ることはありません。
また、対処療法で昔使用されていたヘルニアバンド(脱腸帯)は、治療ではなく飛び出したヘルニアを押さえこむためのものでしかありません。そのため、ヘルニアバンドを外すと飛び出してきてしまいますし、動作や歩行でずれて飛び出してしまうことがしばしばあります。現在は身体への負担が少ない手術手法が確立しているため、専門医であれば治療効果のないヘルニアバンドによる治療を行うことはありません。
当院では患者様の負担をできるだけ軽減でき、再発の少ない手術を行っていますので、お気軽にご相談ください。

鼠径ヘルニアの手術

メッシュプラグ法、リヒテンシュタイン法、iliopubic tract法を基本としております。ヘルニア嚢を処置しソケイ管後壁を人工素材にて補強します。手術時間が短く、再発が少ないと考えられております。日帰り手術はなるべく患者さんへの侵襲を少なくしなければならないとの考えから、腹膜前の剥離操作が少なくてすむ術式となっております。症例によりクーゲル法などの術式を取ることがあります。腹腔鏡下手術の日帰り手術は導入を準備しております。

メッシュプラグ法

1993年にアメリカの Dr Rutkowを中心に考案された手法です。 ポリプロピレン製メッシュでできた傘状のプラグ(栓)を人工補強材として用い、ヘルニアを起こしている筋膜の弱い部分に入れて補強します。
日本でも1995年から行われてきていますが、長期の経過観察によって違和感や再発などが発生していることがわかってきています。

リヒテンシュタイン法

1989年にアメリカのIrving Lichtensteinが考案した手法で、外側から鼠径部全体をポリプロピレン製メッシュのシートで覆ってから縫い付けます。前立腺の手術などを受けたことがあって腹膜の前面を十分に剥離できない場合や再発で術野の露出が不足する場合に適しています。

合併症について

出血
従来法では、術後に皮下の細い動脈や静脈が出血して皮下血種を作る可能性があります。この場合、再手術を行って止血する必要が生じることもあります。
感染
創部や人工補強材が感染する可能性があります。ほとんどの場合、点滴による治療で改善します。難治性の膿瘍などで強い症状がある場合には再手術も検討します。
再発(対側再発)
手術では、シートでヘルニア門を確実に塞いで腸の脱出を防ぎますが、まれに強い腹圧でシートのすきまから腸が飛び出すヘルニアの再脱出が起こる可能性があります。
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